ふぇいるくん

東京日和のふぇいるくんのレビュー・感想・評価

東京日和(1997年製作の映画)
2.5
荒木経惟・荒木陽子の夫妻をモチーフにした映画ではありますが、実際に荒木さんが撮影した写真に見られるような、ある種猥雑で猥褻な生活感というか肉体感覚をすべてそぎ落とし、ひたすらオシャレな仕上がりに。

東京や各所の風景をオシャレに切り取りつつ、オシャレ系文化人のカメオ出演も満載、もちろん主人公夫妻もオシャレに描かれ、恐らくターゲットであろうオシャレ文系女子が顔をそむけるようなラブシーンも見せません。
よくもわるくも、植物的で透明感あふれる映画に仕上がっています。

てっきり監督は、リンネル系の服を着てメガネをかけて動物性脂肪とは無縁そうなパサパサ感満載の40過ぎたおばさんなのかと思いきや、なんと見るからにギトギト脂ぎった竹中直人だった!!!・・・世の中は謎に満ちています。

オシャレロハス映画という側面の一方、後半は気恥ずかしくなるような「ミポリンアイドル映画」という別の面も顕著になりますが、中間と加藤のいない「ビーバップ」・・・と言えるほどには、映画自体の勢いが感じられないのが残念です。