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東京日和のharunomaのレビュー・感想・評価

東京日和(1997年製作の映画)
5.0
志村けんが亡くなった日に、東京駅に近いホテルの一室で再見していた「東京日和」という映画を、一日過ぎてどう振り返ればいいのかわからない。
まったく馬鹿げた事態に、Drifterたちがこんなにも早く、そしてギャグとして転回できない息の問題が、大きな事実の前に、闇夜の中で、深海のような都市の夜景が、音たちを消していく。鎮魂はすでにガラス張りの部屋の内側に用意されていたかのように。

映画は回想のなかで一等輝く、それはどの芸術でも同じだ。
実際にいま目の前で聞くよりも、私には記憶の中のバッハの方がよりよい音楽としてあると坂本龍一は言っていたが、この映画のサントラと歌(坂本龍一、大貫妙子「東京日和」)を聴きすぎたために、もう映画そのものとは大きく乖離してしまった。
そして思っていたより良くない。決定的な場面で、ナレーションが前面に説明を始め、イメージたちはそれほど何かを語るためにはあるようで、ない。しかしヴェンダース的な?余暇や待機の時間はあり、心地よい。
佐々木原保志のやわらかな感性がにじみ出てはいる。
すべてを忘れ、これから
声を伴ったDrifterたちが、出発をはじめる。

https://youtu.be/6OmSr028j_I
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