パピコ

オアシスのパピコのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
3.7
前科ありの家族からも愛想尽かされている社会不適合の男と、脳性麻痺の障害を持ち生活を制限されている女性のラブストーリー。

社会からはみ出した2人が寄り添いあい、結ばれ幸せの絶頂で、2人は社会により引き裂かれる。
2人は実際に惹かれあってるかはわからない。ただお互いにとって救いであり希望だった。
主人公のことは全く好きになれなかったが、ラストシーンの彼女の影を取り除いてあげるシーンはヒーローにしか見えなかった。

社会に障害を持ってる人の声は届かない。聞こうとも思ってないのかもしれない。
家族や世話人は彼女の人権を侵害していたし、主人公も微妙なところ。しかし主人公は対等に話そうとしていたように感じる。
支援して生活援助してもらうことも大事だが、同じ目線で対等に話してくれる存在もとても大事だと思う。

脳性麻痺の女性を健常者の普通の役者が好演していてすごいと思ったのと同時に、この役は実際の障害を持っている方がすることに意義があるんじゃないかと思った。
障害を持つ方の役者がいない現状はどうかと思うので、多様性の現代でリメイクするなら是非障害を持つ方も同じステージで勝負できる環境になってほしい。(優先されるのは違う)

健常者だったらといちゃつく妄想してニヤける彼女の幸せな顔は、幸せなシーンだけど哀しさもある。

彼が押した車椅子が日陰からひなたに出て、綺麗な青空に見惚れる彼女。
ここのシーンが一番好きでした。
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