また好きな韓国人監督を見つけられた。
イ・チャンドン監督の「ペパーミント・キャンディ」が素晴らしかったので、今作を観てみたが…
非の打ち所がない作品だった。
とにかく役者陣が凄すぎて言葉が出ないくらいだった。
ソル・ギョングさんの、明らかに偏りのある、療育が必要だったのに時代故に放っておかれた前科者。
ムン・ソリさんの、脳性麻痺の女性。
2人共、特にムン・ソリさんはたぶん初めて観たので、ありえないけど本当に病気の方が演じてるのかなと思ってしまうくらいだった。
だから、コンジュの“こうだったら良かったのにな”シーンが本当に泣けて嗚咽を漏らしてしまった。
2人以外の人たちにとっては到底理解不能で、滑稽ささえ感じる出来事ばかりなんだけど、当の本人たちはお互いに真摯に向き合って、惹かれあってたんだなーと思うと本当に泣ける。
コンジュの警察での歯痒さを表現したシーンは圧巻だった。
自分には理解できないことを、“マジでキチガイ”と腹を立てて疎外するのではなく、何か事情が、理由があるのではないか？という視点で考えてみる必要があると、改めて思わされた。
展開や象徴性、役者の演技など全てパーフェクトな作品だった。
久々の星5作品だ。
