言語によるコミュニケーションだけが愛情表現ではない。社会不適合者な2人の男女は真っ直ぐに互いを見つめ合い、表面でなく心で繋がっているのがわかる。一方、世間は“言葉”がないと理解しない。恋愛は当人だけではなし得ないのか。ただラストは希望に溢れていた。
何度か言及している通り、僕は韓国映画がとても苦手で、それはジャンルとか国どうこうではなく、韓国語の発音が耳と相性が悪くてすごく眠くなっちゃうんですよね。
どんなに迫力あるアクション映画でも寝ちゃうって一種の病気かってぐらい他の映画と比べて寝る率が高いわけです。
それがめちゃくちゃ面白かったんですよ！
最後まで飽きることなく観れて、最初は社会不適合なムショ上がりのジョンドゥがあまりにも身勝手で学習しないなぁってぐらい犯罪を重ねようとするわけなんですけど、コンジュとの出会いで色々と変わっていくんですよね。
まぁやってることは変わらないんだけど、今まで自分の身勝手だったことが、コンジュのために行動するようになるわけです。もちろんお金盗むのとかはダメだけど、そんな2人の関係性が心地良くて途中何度もホッコリとさせられ笑わされました。
この映画がたくさんの映画ファンに評価されているのも納得でした。
むしろ僕もお気に入りの映画の一つになりました。
だからこそクライマックスが切ない…一度レールを踏み外しそれを何度も繰り返してしまう男と、レールを踏み外すことすらできない不自由な脳性麻痺の女。
ジョンドゥは何度も悪いことを繰り返し続けて、家族から呆れられています。
一方、コンジュは意思表示すらままならないので、ジョンドゥとの関係性を上手く表現できないのがもどかしいんですよね。
だけど、演出的には好きなシーンも多くて、あのコンジュの脳内の想像を具現化した模様であったり、コンジュの家の絵に写る木の影なんかもとても良かったなぁ。
〈キャスト〉
ホン・ジョンドゥ(ソル・ギョング)
ハン・コンジュ(ムン・ソリ)
ホン・ジョンイル(アン・ネサン)
ホン・ジョンセ(リュ・スンファン)
ハン・サンシク/コンジュの兄(ソン・ビョンホ)
ジョンイルの妻(チュ・グィジョン)
サンシクの妻(ユン・ガヒョン)
隣家の女性(パク・ミョンシン)
※2024年旧作鑑賞21本目
※2024年自宅鑑賞24本目
