ねぎおSTOPWAR

オアシスのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
5.0
切ない!
こんな切ない恋愛映画を知らない。

おそらく発達障害の前科三犯ホン・ジョンドゥ(ソル・ギョング)は、被害者女性の娘で脳性麻痺のコンジュ(ムン・ソリ)と出会い、いつしか二人は恋に落ちていく。しかし周囲はそう簡単には・・。

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報われない恋とか、身分の違いを超えた恋など、それこそ恋愛映画は数知れず。基本的にはその類型です。しかしイケメンでも美女でもない(失礼!)二人という映画をわたしは知りません。
むしろ目を向けるのに顔がこわばる設定。
そしてこの二人のピュアさにいつしか応援させられています。


以下ややネタバレです。



ジョンドゥが発達障害だってどこにも出てきませんが、物事の想像力のなさ、あと「お前良く覚えてるなあ」というセリフが二回かな?あったけど忘れっぽさは典型症状ですよね。
そんなに悪いことしてるつもりないのに、人は先入観や見た目などで話を聞こうともしてくれない。

コンジュのムン・ソリさんはコンジュの夢の世界で、健常者であることがわかります。演技なんですね。撮影終了後、相当体悪くしてしまったそうですね。
脳性麻痺の方のコミュニケーションについて詳しくはないのですが、コンジュは知的障害は併発しておらず、筋肉の麻痺で言葉が難しいだけ。

おそらく兄は、兄夫婦はコンジュを悪い意味で特別扱いし、邪魔者と思っています。コンジュは周囲のことは理解しており、日々傷ついて生きている。
そこに少年のようなジョンドゥがやってきて、コンジュに対し、他の人とは違うアプローチをします。「お前かわいいなぁ」って!
良かれと思い実家に連れて行くと散々なことになったり、入店拒否や、社会からはじかれた二人の、二人だけの関係は加速します。
誰かにわかって欲しいとかまったく考えておらず、ただただお互い、自分を人間として受け入れてくれる大切な人として、相手のことを思い続ける・・愛の段階。
周囲はそんなこと夢にも思っていない。

クライマックスは夜中に警察を抜け出し、枝を切るジョンドゥ!!声を出せないコンジュはラジオを大音量にして自分の思いをジョンドゥに伝えようとする!!
こんなクライマックスも見たことない!!