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ヘルレイザー:レベレーションのblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.1
ひっそりアマプラに落ちてたので鑑賞。
ヘルレイザーは実はけっこうコンスタントに作られているけど4以降は予算もスケールもガタ落ちした作品が多く観てる人もほとんどいない侘しい感じになっている。
本作はその侘しさがピークに達したかのような作品だった笑

とても00年代を突破した頃とは思えぬフラットで安い画質に華も演技力もないキャストという90年代のB級ホラー然とした懐かしくも、いなたい雰囲気が支配する。
ストーリーは2人のバカ男子大学生が春休みにはめ外すために旅立ったメキシコでパズルボックスを謎の浮浪者から渡されピンヘッドと魔道士軍団を召喚していまい苦痛と快楽の拷問地獄に堕ちるというオーソドックスなもの。この謎の浮浪者てとこが90年代どころか70年代に引き戻される笑
自国より経済が弱い国で女性を買い好き勝手に遊びいい気になってる奴らが拷問地獄に遭うってのは何気に『ホステル』と同じ構図なんだよな。ちょっと上手いと思った。
ただ、そこから先の展開がバカ大2人の両親、妹、バカの片方の彼女を巻き込むドラマになっているんたけど出来があまり良くない。パズルボックスに出会ったことで隠されていた親子、兄弟、恋人間の闇と生々しい愛憎が露わになるってアイディアは初期の『ヘルレイザー』を意識してる気がして好感を持ったけど、うまく整理できてないんだよな。唐突にそれが始まる感じで伏線がない笑

でも、“究極の快楽は究極の痛みの先にある”というテーマをしっかり物語の核に据えてるのは真摯だし、それを拷問SMを重視して見せるフェティッシュなゴアシーンのクオリティは高い。それこそ『ホステル』『ソウ』所謂トーチャー・ポルノ登場以降の流れにあるリアルな血が流れ、本物の質感のある臓物と皮膚が豪快に無惨に切り刻まれる。なので自分が観てきたヘルレイザーの中で最もと痛覚が刺激された。魔道士達も顔の生傷だからけだったり皮膚の下の肉が見えてたりグロテスクで生々しい。あと、バカ大の妹がパズルボックスを解くことに性的に感応していき、パズルボックスに触れるたびにセクシーな吐息を洩らしてくシーンはオリジナルへの深い愛と理解を感じた。でも、下手に撮ってるから魅せられたりはしないんだけど笑
不思議なことに出来は本当に悪いんだけどオリジナルに忠実な演出が多いせいか退屈はしなかった。
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