ジミーT

バニシング・ポイントのジミーTのレビュー・感想・評価

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)
5.0
この映画が4Kリマスターで再公開されるらしく、仰天です。

この映画を最初に観たのはテレビ放映された時。もう衝撃でした。主人公の得体の知れない焦燥感が他人事ではなく、「これは俺のためだけに作られた映画だ。」とさえ思いました。

後年、キネ旬だったかな〜雑誌名は忘れましたが〜評論家の今野雄二氏が「ニューシネマの形だけを真似た内容空虚な作品」という観点からこの映画を映画として全否定していました。その評論を読んで、内容の鋭さにウ~ムと唸ってしまいましたが、それでもこれが「俺のためだけに作られた映画」であることに違いはありません。
監督のリチャード・C・サラフィアンも、主役のバリー・ニューマンもその後、目立った活躍をしてなくてほとんどこれ一本の一発屋ですが、それが「バニシング・ポイント」であれば一発上等。これ以上何を望むのか。何しろ「俺のためだけに」作ってくれたんです。今この瞬間もそう思っています。スコアなんざ5.0でも0.0でもどうでもよろしい。

かつてのレーザーディスク版では主人公コワルスキーを応援するDJ スーパー・ソウルの吹替えが小林克也だったのですが、4K版もそのバージョンで公開してくれたらいいなあ・・・・。

 不可解なのは、これサントラCDが出てないんですよ。著作権上の理由かな・・・。

追伸
さらばバリー・ニューマン!本当にバニシング・ポイントの向こうに行ってしまいました。追悼!
ジミーT

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