ジュリアン

バニシング・ポイントのジュリアンのレビュー・感想・評価

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)
5.0
デスプルーフ、テルマ&ルイーズなどアメリカを舞台にしたカーチェイス作品を今まで見てきて、ついに満を辞して本作を見た。

面白い。
先日、トムクルーズ映画を見て楽しめなかったので、スクリーンが良ければそれでいいんだと堂々とした映画をちゃんと楽しめている自分がいる事に喜びを感じた。

なぜコワルスキーはアメリカで警察を相手に暴走するのか。
ベトナム帰りや警官時代、パートナーの死別は関係するのか。
道中で出会う人たちとの交友は何を語ってるのか。
そして、それがどう暴走することに繋がるのか直接語られはしない。

しかし、それでも刹那的に暴走する描写を面白いと感じられる余地は大いにある。群衆と同じように反体制的で自由な走りを応援したくなる。憎きアメリカに痛快な走りを!という気持ちに。

所々ニューシネマぽくもあるし、その土地に住むアメリカの人々を映し出しているが、それ以上に変な映画としての印象が強い。似た作品にイージーライダーを挙げられそうな気もする。尤も、こっちはスーパーソウルはじめ味方がいるし、他のニューシネマほど一貫性もないので釈然とはしないが。