「イントレランス」(1913)の巨大セット建設に参加したイタリア人兄弟がモデルのヒューマン青春ドラマ。 1987年キネマ旬報ベスト・テン外国映画部門第1位。製作国は伊・仏・米。
1913年、イタリアでロマネスク大伽藍の修復を行ってきたボナンノ一家は借金を理由に家業をたたんだ。一家の兄弟ニコラとアンドレアは修業名目でアメリカに渡る。翌年、D・W・グリフィス監督はイタリア映画「カビリア」のセットの素晴らしさに大きなショックを受け、予定中の超大作映画「イントレランス」の構想を白紙に戻していた。。。
大作ではないが、映画愛と平和への希望が込められた良作だった。グリフィス監督が「カビリア」を観ているシーンは、映画ファンにとってはチェックポイント。「イントレランス」の制作公開がアメリカの第一次世界大戦への参戦直前だったことを再認識した。
「バビロン」(2022)で注入された毒が、本作の鑑賞で中和された。
※イタリア監督のタヴィアーニ兄弟は「父 パードレ・パドローネ」(1977)でカンヌ・パルムドール受賞。「サン★ロレンツォの夜」(1982)でカンヌ・審査員特別グランプリを受賞。