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グッドモーニング・バビロン!のmareのレビュー・感想・評価

4.0
なんともドラマティックな兄弟愛の映画ともいえるし、映画を語る映画でもあるし、やり切れない世相を反映する映画でもある。いずれも強靭なニュアンスを持っているため、タヴィアーニ兄弟の映画はどこを切り取っても秀逸。この監督の作風は宿命・運命という要素に並々ならぬ拘りを見出しているように感じる。本作は主人公二人が選択していく場面ももちろんあるが、抗えない波になす術がない瞬間もある。誠実さと重みがありながらこちらにしっかりフィットするテンポ感で流れていく。これほどまでにカメラを儚げなツールとして使った映画もあまり見ない。ちなみに「イントレランス」は敷居の高さから未見なのだが、それでもヒューマンドラマに酔いしれるには十分すぎる。
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