ヤマト

Endless Waltz エンドレス・ワルツのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 絶対音魂 】

「天才」とはどんな人なのか、これを観ればよく分かる。溢れ出る才能と性欲。大勢から理解されない。いや、大勢がその非凡な立ち振る舞いを理解“できない”、気づかない。分かる人に分かり、惹かれ合うのだ。
 本作は実在した天才ジャズプレイヤーをモチーフに作品が描かれているが、パートナーもまた天才であり狂人であった。「類は友を呼ぶ」「バカと天才は紙一重」とはよく言ったもので、まさにこのふたりの天才を表していると思う。アルコールや薬はご愛嬌(いけないことだが、こういう違法もカリスマ性を引き立てていると思ってる)。
 男はその時の気分によって音を奏でる。情けない音を奏でなくないという思いからだ。「魂を絞り出して音を奏でる」といったことを話されていたが、本物は違うなと思わされた。男は魂で音を奏で、それに生命を吹き込んだ。
 女は自分をぞんざいに扱う男にゾッコンである。男もまた女の美と才能と性にゾッコンである。どんな障壁が現れても何があっても惹かれ合うふたりの様子から“愛の才能”を感じさせられた。
 女は言った。「長く細くか太く短く」。人生における生命の絶対量を説いたのだ。その哲学に舌を巻いた。とりわけ天才ふたりが後者だったのは言うまでもない。
 私もまた主演の女(広田レオナさん)に釘付けになったのは言うまでもない。
ヤマト

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