エイガスキー

大日本帝国のエイガスキーのレビュー・感想・評価

大日本帝国(1982年製作の映画)
2.0
二百三高地の監督と脚本家が再びタッグを組んで製作された、太平洋戦争開戦から終戦までを扱った作品。『二百三高地』とこの作品、日露戦争の海戦を扱った『日本海大海戦」を合わせて東映戦争三部作と呼称されているそう。

二百三高地を見た後だと内容の薄さ、ショボさを感じざるを得ない。武器や兵器が進化し、当時の技術では映像化が困難だったという直接的な原因もあるだろうが、それだけにとどまっていないように思える。
銃撃し、まだ息がある英兵の横に座っておもむろにタバコを吸いだしたり、男女がキャッキャウフフしているだけのシーンが続いたり、ちょいちょい女性の乳房が映ったりと意味不明な演出が増えた。何か深い意図があるのだとしても、見ている側がわからなければあまり意味がない。
また、メッセージ性も強くなった。戦争がいかに悲惨なものだったかという描写は二百三高地でもあったが、日本兵がやたら好戦的になっていたり、民間人に天皇を蔑ませたりと、政治色の強いものになった。
映画にこういうものを強く持ち込まれると、思想がどうであれ見ていて気持ちが悪い。

出演者も二百三高地から引き続きといった感じで、役の混乱を招く。

二百三高地より後年に製作されたものなのに、二百三高地よりも古臭さを感じる作品だった。