円柱野郎

アリス・イン・ワンダーランドの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一応アリスが主人公なんだけど、やはり描きたいのはアンダーランド(ワンダーランド)の奇妙な世界なんだろうと思う。かなりの重要人物に設定されたマッドハッターや、奇抜な赤の女王をたっぷり見せるところなんかを見ても、バートンらしい異形の者への愛情を感じます。だけど、その奇抜さに翻弄されるだけだった元々の話から、アリスがアンダーランドの救世主として話に絡んでくると、映画としての一本筋が付いても“先の読めないシュールさ”という「不思議の国」の魅力が減ってしまっている様な気もする。これはジレンマだねえ…。
ストーリーに整合性を持たせたことで先のシュールさは減ってしまったけど、そのバラバラの要素の再構築は上手くできていると思う。ただ、それだけでは普通のファンタジー映画と何も変わらないじゃないか、というこれまたジレンマ。個人的には「不思議の国」のキャラクター達をバートン監督が魅力たっぷりに描いてくれたこと自体が楽しいとは思ったけどね。
バートン作品常連のジョニー・デップとヘレナ・ボナム・カーターは今作でも安定感のある変キャラぶり。個人的には白の女王を演じたアン・ハサウェイの何とも言えない「ちょっと違う感じ」が良かった。CGキャラクターでは、3月ウサギの壊れっぷりの表現と、見た目がずいぶん猫になったチェシャ猫の浮遊感、トウィードルダムとトウィードルディー(双子)の戦い方がお気に入りです。
円柱野郎

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