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ボブ★ロバーツ/陰謀が生んだ英雄のtakatoのレビュー・感想・評価

4.1
 トランプ当選を受けて町山さんが紹介していたフェイクドキュメンタリー映画。本当にトランプと似た印象のボブことティムロビンスの選挙を追ったドキュメンタリーという設定の作品。

 昔だったら、「群衆の中の一つの顔」とかのアメリカにおけるポピュリズムや反知性主義をテーマにした作品として冷静に見れただろうが、現在の情勢で見ると寒気がするものがある。だってボブの方が、トランプよりよっぽどまともなんだもん!。ボブ(ボブディランのパロディー曲を歌ってるのには笑った)は、最近出てきた本流じゃない駄目な共和党の方向性を象徴しているような人物だが、まだクリーンなイメージを売り出す努力をしているし、それが成功している面もある。トランプに至ってはそれすらしてない!。彼の閣僚人事、ロシアに対する対応の恐ろしさは常軌を逸している。サウスパークの世界が現実になってしまったという恐怖は、創作の世界を遥かに超えている。

 本作のボブの辿った運命すら、トランプはなぞりそうな予感すら覚えてくる。スキャンダルによる失脚が割とありそう、暗殺による殉死者になるのが彼にとって理想的かもしれない。最悪なのは、ブッシュと同じく戦争による政権維持という選択だろう。

 どうでもいいが、ボブのファンの目がいっちゃてる市長の息子たちを見てると、本当に怖気を覚えた。この人たちに暗殺されちゃうのかなぁ~と期待してだんだけどね。ジョンレノンを暗殺したのも、熱狂的なファンだったし、ああいう狂気を宿している人は何時の時代もいるのだろう。
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