たーぼーん

丼池のたーぼーんのレビュー・感想・評価

丼池(1963年製作の映画)
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何より、浪花千栄子を凌駕する程の妖怪ぶりを見せた三益愛子に尽きる。宗教とか道徳的しばりの強い国であれば、いっその事上映禁止にしといた方が無難かと当局が判断してしまいそうな位のエグい映画であった。
三益愛子がとても悪意に満ちている訳だが、司葉子が宝投資の資金を流用しさえしなければ破滅的な事態にならない訳である。その辺のどっちもどっち感が一周して最後は悪者もさほどでない者も皆笑顔のエンディングでサイナラである。
そもそも光投資という信託の話が出てきた時点から、物語に妙なものが混ざったと感じた。
これって結局「白昼の死角」とかと同じく光クラブのエピソードをモデルにした数多くの作品の一つなのだなと思った。
僕は丼池地区で25年位働いているので、例えばこの映画の森光子みたいな女の人が挫折せずに共販所で婦人卸を続けて、高度経済成長に乗って大阪船場地域のアパレル企業のオーナーを長らくやったという例はいくつか知ってるつもりである。
エゲツないけど、楽しい映画だった。