言わずと知れたジャパニーズ・ホラーの傑作『リング』の監督である中田秀夫と原作・鈴木光司による再タッグ作品。
最近になってホラーに興味熱が高まっている私。
昔チラッと観て、震え上がった記憶がある今作。しかし、ちゃんと観たことはなかったため鑑賞することに。
じっとりしてる感じと、フィルム感がある映像はじわじわと恐怖感を与えてきてさすが。
中田監督らしいメロドラマも嫌いじゃない。
片親だったり、両親共働きで幼稚園の迎えが遅くなる経験があると、共感できる。
雨って不安感を増す効果があるんですよね。
そこに迫り来る水の恐ろしさも加わって、強烈。
ただし、ただ怖いだけじゃなくて、霊の悲しい背景とかも考えると、我が子を守る母親の苦痛な選択が……観ていてつらかったなあ。
精神的に不安定になる要素がたくさん詰まってましたよね。
元々大手出版会社勤めとなると、優秀な方だったのでしょう。
子育てのために仕事をセーブしたが、夫は家庭に非協力的で、なくなく離婚。
しかしながら、精神的なダメージを負った母親に追い打ちをかけるように親権を争う調停になる。
事実、そういった出来事ってたくさんあるんでしょう。
そこに霊による体験って、考えただけで最悪。
でも、残酷だけどこういう運みたいなのってあるのかも。
母親自身も両親の離婚を体験してるから、追体験みたいになって不思議な感覚がありそう。
現実とフィクションとのギャップを埋める卓越さに驚いた。
ただ、点数を低くしているのは単純に怖さが不足していたから。
完成度は高いんだけど、ドラマ性が強過ぎてホラー描写としては物足りなさも。
でも、周りにはおすすめしたい作品でもあるし、なんとも不思議な感じがしています(笑)