「リング」&「らせん」で日本中を恐怖の
どん底に陥れた鈴木光司氏が追い討ちを
かけるように発表した古典的なホラー作を
中田秀夫監督が三たびタッグを組んで
撮りあげた現代風怪談話
離婚した元夫と娘の親権で調停中の淑美
なんとか新たな住居を見つけたのだが
そこは古びた集合住宅でどこか鬱々と
した雰囲気が漂っていた…
全てにおいて追い込まれた状況下で
必死に娘との生活を守ろうとする母親を
黒木瞳さんが演じています
淡々と描かれる日常の中、少しずつ
不穏な“ 何か ” が観る者の心に積もって
来ます、建物の隅に溜まっている闇
徐々に広がる雨漏りの滲み、エレベーター
の防犯カメラに映る影、屋上に残された
赤い子供用のポーチ etc
徐々に恐怖が輪郭を形成していきます
ジトジト降り続く雨
親権争いはだんだんと不利な状況になり
不気味な現象は次第に頻繁になっていく
心身共に疲弊していく淑美の姿と観客の
緊張感がシンクロして息苦しいほどです
数年前に同じ団地で行方不明になった
少女の存在が怪現象の元凶であることが
明らかになった時、真の恐怖が母娘に
牙を剥き襲いかかってくるのです！
クライマックスのシーンは絶叫必至‼️
母親を慕う子供の想いと子供を守ろうと
身を挺する母の愛情が見事に描かれて
思いがけないラストへと繋がります
デビュー直後の水川あさみ嬢の初々しい
姿が見られますよ
ジャンプスケアとスプラッタシーンが
ウリのホラーとは対照的な脈々と
受け継がれる “ 怪談話 “ を現代風に
置き換えた背筋の凍る一本です。
