役者たちのしっかりした演技と気取らない演出、物語全体から伝わる雰囲気が、見終わった後にもじんわりと残る秀作。
生き方によっては両親が死ねば、故郷に戻る意味はない。という子供たちの思いもわかるし、それを孫から見れば大人の勝手な都合にみえるわけで。小さな抵抗と、おばあちゃんとの約束を彼女なりの方法で守る心意気がちょっと危なっかしいけど良い。家政婦さんも切ない。
今生きている場所と時間に特別なものと思うことはできない。何かが欠けるまで。そういう声の小さい愛おしさみたいなものに改めて気づかせてくれる。
みんなそれぞれ自分の都合で、お互い関わり合っているが、その一番の犠牲が愛おしい時間だったりするということのなのかな。