うらぬす

夏時間の庭のうらぬすのレビュー・感想・評価

夏時間の庭(2008年製作の映画)
3.7
めちゃくちゃ面白かった……というほどでは決してないものの、時代の変遷や世代交代、それに伴う様々な喪失が重すぎないタッチで描かれていて、センスの良いザ・フランス映画という趣。最後に映される若者のパーティは、懐古趣味や過剰なセンチメンタリズムに陥ることを避け、失われていくものがある一方で同時に新たな若い活力が育まれていることを提示しようとする監督の意図をよく表している、と自分は解釈した。
後から知ったことだけど、この映画はパリにある美術館の開館20周年記念作品らしく、確かに家の中にあふれる芸術的価値の高い品々は見ているだけで楽しかった。そんなに高価なものに囲まれているのにスノッブや虚栄とは無縁の印象しかないのが不思議。
どうでもいいけど、黒ラブと白ラブを1頭ずつ飼ってるのがすごく羨ましい。