燕鷲

台湾人生の燕鷲のレビュー・感想・評価

台湾人生(2008年製作の映画)
4.0
「ビルマ戦線で下士官から『チャンコロ(中国人に対する蔑称)』と呼ばれて本当に悔しかった。確かに我々は血統的には日本人と言えないが、日本を想う心は同じこと。自分は日本人以上の日本人だと信じている」

「敗戦後、中国籍になったのは哀しかった。日本人として戦った相手、敵国の籍に入れられるなんて。何もしてくれない日本政府を恨んだ」

「台湾人として、こんなにも日本の教育を受けて、こんなにやったのに、なんで我々を捨てたの? なんで陰ながらでも守ってくれないの? なんで日本政府はやらないの? 大陸が怖いの?」

日本への溢れんばかりの愛と、抑えきれない日本国政府への憎しみ。同胞だと思っていた国民党への期待と、独裁化していった蔣介石に対する失望。それぞれのアンビバレンツ。

宋さんと小松原先生のエピソードは涙なしに観られなかった。

皆さんご高齢で、滑舌が悪くなっていたり、ところどころで日本語が怪しくなったりしているのだが、それでも必死に当時の思い出や率直な気持ちを語ろうとしてくれている。

耳を澄まし、心して聴け。
燕鷲

燕鷲