このレビューはネタバレを含みます
登場人物たちに近づきすぎず、離れすぎず、、ケン・ローチが映し出す絶妙な距離感がこの時期から既に完成しつつある。
本作はどの場面を切り取っても観ていて苦しい。正直、こんなに多くの大人が悪いわけないだろうと思ってしまうところもあるが、ビリーにとっては周りにいる大人はこのように見えたのだろう。つまり、誰一人として自分の苦しみなどわかってくれないのである。
正直このような映画を私はどのように評価してよいかわからない。映画としての完成度は高いし、好みと云えば好みなのだが、観賞後に残った心の靄のようなものが本作に対する私の評価を危うくさせる。もちろん心に残るという意味でそれだけ良い映画であることに間違いはないのだが、、よってスコアはきっかり半分と云うことにしておきたい。