全編を通してとてつもない閉塞感です。ビリーを取り巻く人たちはダメで嫌な人間ばかりです。でもそれが悪いとかどうのではなく、その社会が生み出す結果として淡々と描れています。
尊厳を持って空を飛び回るハヤブサは、抑圧されたビリーの中にある人間性を象徴しているよう。調教にのめり込むビリーからは、それが垣間見えます。しかしラストはどうしようもなく救いのない展開で、閉塞感に閉じ込められたままです。
作中で1、2を争うクズで傍若無人なビリーの兄貴ですが、その彼が炭鉱の仕事に向かうシーンがなんとも言えず物悲しく、印象に残ってます。