せいめいたい

ケスのせいめいたいのレビュー・感想・評価

ケス(1969年製作の映画)
4.2
貧しく家庭環境も学校生活も最悪。楽しみはふと手に入れた鷹の雛の世話と訓練。そんな少年の日常を切り取った作品。
あ、そういえば映画ってこういう感じで良かったんじゃん…と思い出させてくれる感じ。
映画を観る時ってついつい派手な演出とか緻密なストーリーとか、所謂エンタメ性を求めがちになってしまう。
でもこの作品はそういうのとは離れたところにあるというか、ドラマチックなストーリーも派手な演出もなく、ただ淡々と殺伐とした人間の生活が映されている。なんだかそこに妙にリアルな人間の無軌道さがあって、息苦しいわヒリヒリするわでしんどいけど、でもそこにこそ人の営みの息吹を感じる。エンタメ寄りの作品での感動とはまた別の、心の違う部分が揺さぶられる。映像の持つ力って感じ。なにより自然とスッと心に入ってきてくれる。頭でっかちになると、そういうの色々つい忘れがちになっちゃうからね。

その他諸々メモ
・主人公の少年も手放しで良い子とは言えないのがまた(笑)
・少年特有の脆さ儚さ、あと印象的な澄んだ瞳
・鷹を敬う姿勢、わかっている…
・教育という名の暴力
・選手(キャプテン)兼審判とかいう自分が気持ちよくなりたいだけのクソチート体育教師がしんどいです
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