三隅炎雄

三人の博徒の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

三人の博徒(1967年製作の映画)
4.5
これは小沢とびきりの傑作。昭和初期、服役中に愛妻を麻薬組織に売り飛ばされた侠客鶴田浩二が、兄弟分待田京介を連れて妻救出にマカオへ渡り大暴れする。このふたりに加わるのが、『昭和残侠伝』+平手造酒の渡世人池部良と日本侠客マニアの中国人遠藤辰雄というふうに、完全な着流し任侠映画のパロディになっている。待田京介もお約束どおりの役を演じて大変可笑しい。セットのマカオがまた実にインチキで、ちょっと東映の任侠映画と日活の無国籍映画が合体したみたいな感じだ。小沢の同様にパロディ調の『関東果し状』ではオープニングでしか機関銃乱射しなかった鶴田だが、ここでは最後の殴り込みでバリバリバリ思う存分撃ちまくっていて痛快極まりない。
三隅炎雄

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