広島カップ

バベットの晩餐会の広島カップのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
3.9
嵐の夜、デンマークの寂れた海沿いの村で暮らす敬虔なキリスト教徒の姉妹の元に一人の女が転がり込んでくる。女は二人に頼み込んでその家に住み込みで働く事になる。
パリから流れて来たミステリアスで一文なしのその女は実は.... という話。

料理の味や美味しさに対して昨今のTVに登場するレポーターがあれやこれやと大袈裟な表現をすることに対してダメ出しをしている本作。
目の前の料理の味は食べてる人の表情に端的に出るもので言葉で表すのは虚しいと、またワザと大袈裟に表情を作っても簡単にバレてしまうという事を語っている。
「味の宝石箱ヤァ」って類いのものはもう止めようよと思う。

最近のビールのTVコマーシャルを見ているとよく解るけれど、「美味い!」とか「美味し〜い」とか「ふぅー!」とか手を変え品を変え言葉で虚しい表現をしているが結局の所美味しかったら自然に表情に出るしこちらに伝わるものなのだ。
飲んだ後に目の玉ひん剥いてビールの入ったグラスを眺めたり普通しないよな。却って嘘なんじゃないの?と思ってしまう。

女は料理の達人で味の芸術家。例えお金が無くても芸術家は貧しくなんかないということが強く伝わってくる。
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