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バベットの晩餐会のaiiiiiのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
5.0
大好きな作品です。
この多幸感をどう表現したらいいのでしょう。

まるでバベットの料理を一緒に舌鼓を打ったかのように全身が満たされ、クロヴージョまでも飲んだかのようにほろ酔い気分でした。

人々の心の温度と肌と感情の変化が色となり歌となり綴られ、それは小さく小さくはじまる感動がラストには大きく深い歓びにまで達してしまう。服や物の色が少ない画面からは想像できないほどたくさんの色がこの作品に潜んでいました。

人々の中に生きる「純なる心」が優しく眩しいくらいに光る。
それらを眩しいと感じる私の心はもはや貧しいのだろう。
彼女たちから「富」の意味を諭されたようでした。

「貧しい芸術家はいません」
彼女の言葉はこれからも私を導いてくれるだろう。

命をいただくという厳粛な営み。人生の歓びに変えることができるならばそれはとても意味のある事なのだと思う。時代背景と彼女たちの規律の厳しい信仰の中で行われたからこそ、壮重な晩餐会だったのだろうと思う。食が溢れた今、私たちには決して味わうことが出来ない食事会を目と心で味わせていただきました。

みんなでおいしいっていいね。
ごちそうさまでした。
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