うえびん

バベットの晩餐会のうえびんのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
4.0
生命をつなぐ信仰と食

1989年 デンマーク作品

静かで、穏やかで、暖かい

デンマーク(ユトランド半島)の
小さな漁村

村民たちの慎ましやかな暮らし

村民が集う教会
皆で歌う賛美歌

神の教えを説く牧師
美しい二人の娘

人々はカトリックの信仰でつながっている

姉妹それぞれに恋する男性
軍人と歌手(芸術家)
全くタイプが違うのが面白い

流れる歳月

1871年のパリ・コミューン
過去の縁からユトランドへ
流れ着いたバベット

パリとユトランドの距離
現在の道路で1200km以上

パリの大都市と
ヨーロッパ大陸の北の外れ
バベットにとっての生活の激変を想う

変化を受け入れ
生活が身体に馴染むまでの14年の歳月
空白の時間にいろんな想像が浮かぶ

フランス料理への恐怖
魔女の晩餐

伝統宗教と伝統食

保守的な信仰は
グローバルでもあって
国境を越えられる

保守的な食(味覚)は
ローカルなものだけれど
“おいしい”の感覚で国境を越えられる

「至高の芸術家」
料理人をこんな風に評するのもいいな
うえびん

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