よ

バベットの晩餐会のよのネタバレレビュー・内容・結末

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

悪意の有る無しにかかわらず、偏狭な人が苦手である。(もしかするとこれは、こうした私の偏狭さによる同族嫌悪かもしれない。)
偏狭というのが言いすぎなら、不自由の強要といってもいい。バベットの晩餐会に対する村人の態度のような類である。

私はそうした人々の啓蒙には興味がない。求めぬ者に与える義理はないし、もっと救われたがっている人々を先に助けるべきだとおもっている。
「映画なんて罪深い娯楽でしょ」と思っている人と、「映画は人生を変えてくれる」と信じている人がいたなら、私は後者にむけて映画をつくりたい。料理もまた然りだ。

しかし、バベットは料理をつくる。味が分からないどころか、それを受け付けまいとしている人々のために。
こういう行動を優しさを呼ぶのかもしれないし、そうした人々にさえ沁みとおるのが真の芸術なのかもしれない。
映画だって、そうした優しくて強い制作者たちのおかげで、その裾野を広げてきたのだろう。それは私の考え方では成しえないことだ。
バベットの晩餐会は、そのような先人や同世代に目を向け感謝する機会となった。
よ