にょろ

バベットの晩餐会のにょろのネタバレレビュー・内容・結末

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

トラン・アン・ユン監督の『ポトフ』の話を父にした際教えてもらった映画。それからあまり時をおかずに、新文芸坐で上映することを偶然知り、勝手に巡り合わせを感じたので鑑賞。
前半の姉妹の過去の出来事についての説明が意外と長く、実際の晩餐会は後半。その姉妹の過去が、後半にきちんと繋がっている。
晩餐会のシーンで、漁村の貧しい人々に将軍が混じるのが演出としていいなと思った。フランス料理の食べ方・味わい方を知らない彼らが、将軍の仕草を見よう見まねて食べることで、料理を味わっていく(彼らは「味わってはならない」と彼ら自身に課しているのだけど)のがよかった。
馴染みがないことでバベットの料理を恐れて、もてなしの気持ちを拒みながら食卓を囲んでいるところは、食べるのが好きな個人的な気持ちとしてどうにも受け入れ難くて、素直に感謝して味わいなさい! となったりもした。
前半〜中盤、バベットが姉妹の元に来て、寂れた漁村の限られた食材でも美味しい料理を作っているところが、カフェ、アングレの元料理長である彼女のセンスや才能を感じられるシーンで好き。そこでは、美味しい! みたいな直接的な言葉はないけれど、その後のシーンでバベットが留守中の食事にがっかりする村人の姿でわかるような演出になってるのもいいなと思った。
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