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バベットの晩餐会のcocoroのレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
4.6
あぁ映画だと思える映画だ、ハレルヤ。

普通なら出会うはずもない人間の巡り合わせは非常に面白くて、奇妙で不穏な香りさえする。あるようでないような、ないようであるような。全員が主人公であり、脇役である、繊細で美しいリアルなある種の偶像劇。

美味しいと言葉にしなくても、幸福感、解放感、安堵、平静、の情が空間を満たすのが分かる。そこには理論的な思考はなく、各々の魂の震えがある。愛するもの、信じるもの、選んだ道、終わりかけの人生、そして芸術家達の運命も。

濃くて深くてほろ苦いワインみたいだね。
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