ミシナ

銀河のミシナのレビュー・感想・評価

銀河(1969年製作の映画)
4.0
ユーモラスでながらどこか乾いたような薄気味悪さを感じる、
ぼくのわたしのキリスト教議論ぶっつけバトルでした。

基本的には巡礼者の皮を被った浮浪者の2人の視点をメインで展開されていくけれど、全てが地続きのように交差するのが面白い。
ただでさえ「唯一神とは??」とはなる聖母信仰に聖人信仰、教義を揺るがすような異端に対する弾圧、キリスト本人は「神そのものか人か」…。
尽きない議論はそれぞれの信仰に対する真剣さ故とは言え、熱量に押されます。
これまでの迫害を含めての長き歴史の中で生まれてきた挿話の数々は、どれも彼らにとっては本物。
それだけの思いを抱かせるキリスト教そのものに圧倒的なパワー、宗教という枠さえ越えた「人間の精神」への計り知れない影響を考えてしまいました。
目には見えないからこそ、精神上の生き物である神への信仰というところに何か人間を人間たらしめているもののヒントがあるのかなと思います。
ミシナ

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