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銀河のneroliのレビュー・感想・評価

銀河(1969年製作の映画)
4.0
■ルイス・ブニュエル監督〜🎬■
 
 
ルイス・ブニュエル監督というと面白い映画を見せてくれる監督と期待してしまう〜笑
 
シュルレアリスム作品とエロティシズムを描いた耽美的作品で有名。
多くはこれらの作品で面白い。
 
 
また、キリスト教に関する作品もあり、『銀河』はそれにあたる映画だった。

同監督の宗教的スタイルが決定的となった作品。
 
 

■ブニュエル監督は無神論者?■
 
 
少年時代に厳格なイエズス会の学校に通わされた反発より、キリスト教信者ではなく、自称「無神論者」〜

同監督の「今日まで無神論者でいられたことを神に感謝する」と言うセリフは有名、笑
 
 
同監督の作品『黄金時代』や『ビリディアナ』はキリスト教を茶化しているとされて上映禁止にまでなった。
 
しかし、『ナサリン』という作品は、純粋無垢な神父を描いた作品で、アメリカのカトリック教会から賞をもらっている。
 
以上より、ブニュエル監督のキリスト教に対する考えは、アンビバレントであったと考える。
 
 
本作『銀河』はキリスト教の異端辞典を元に脚本が書かれている。
あながち、キリスト教自体を批判しているとも思えないような内容。
 
 
 
 
■『銀河』🎬■
 
 
パリ郊外からスペインの聖地サンチャゴ・デ・コンポステラに至る道「銀河」を舞台に展開する男二人の奇妙な巡礼。
 
地理的な旅だけではなく、時空を越えた旅をするというロード・ムービー。
 
時間軸は二人の男の現代だけでなく、中世、キリストの時代、そして現代へと戻りまた交差する。
 
 
道中に出会うのは、キリストをはじめ、聖母マリア、サド侯爵、死の天使、異端審問にかけられる男…。
 
すべての挿話は聖書と様々な教義書から引用しているという発想から生まれ、現実、愛、自由について問いかけるバイタリティーあふれる内容。
 
「無神論者」とレッテルを貼られたブニュエル監督が描くキリスト教とは? 
 
 
 
最近、色んな映画を見ながらキリスト教を学んでいる私ですが、聖書の内容について「あ、これ聞いたことある」ぐらいの知識しかない中で、以前よりは聖書を取り扱っている映画を楽しめたかな〜
 
所々、ブニュエル節が出てきて、笑えるシーンもあり、笑
 
ブニュエル監督の作品、色々見て同監督について更に色々知りたいな〜
 
 
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