Casablanca

灰色の服を着た男のCasablancaのレビュー・感想・評価

灰色の服を着た男(1956年製作の映画)
3.8
「嘘はつかずに正直に生きろ」というテーマを貫いているようだ。社長への偽らざる直言が吉と出る。

フレデリック・マーチもある意味自分に正直に生きてきて家族は喪失したものの巨万の富を築いたのだろう。このオーナー社長の古参よりも新人を引き立てる習癖は、現実にもありがちなことなので、さすが、脚本はよくできている。それを嘆くアーサー・オコンネルやヘンリー・ダニエルの古参コンビもうまい描き方がされている。

キーナン・ウィンやジーン・ロックハートがちょい役なのは、もったいないぐらいこの映画の役者の層は厚い。
この執事ジョセフ・スウィーニーは、どこかで見た顔だと思ったら、「十二人の怒れる男」で最後に法廷の外でヘンリー・フォンダに握手を求めてきたあの老人だった。リー・J・コッブは、同じくナナリー・ジョンソンが脚本監督だった「イブの三つの顔」と同じような役柄で、イメージに似合わない温厚な正義漢の弁護士役だった。