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太平洋の鷲のtetsuのレビュー・感想・評価

太平洋の鷲(1953年製作の映画)
3.5
ミッドウェイ関連作品が気になり、鑑賞。


[あらすじ]

第二次世界大戦下、日本海軍の中心として多大な活躍を残した山本五十六。
彼の活躍と死の真実に迫る戦争ドラマ。


[感想]

元祖『ゴジラ』の監督・本多猪四郎が、その1年前にメガホンを撮った戦争映画の力作。

オープニングでテロップが出るように、実際の映像も織り混ぜられていたるため、再現ドラマにも近い印象を受けた。


[山本五十六映画として]

鑑賞しはじめてから分かったのだが、本作は、山本五十六さんの物語を中心に描いており、その内容は、後に作られた「山本五十六」が主人公の作品群と、ほとんど同じだった。

他作では、明確な原作があるようだったが、本作では、黒澤明監督作品や『八甲田山』などの名脚本家・橋本忍さんが、その内容を手掛けており、もしかすると、それらの原点なのかもしれないなぁと思った。


[三船敏郎さんの魅力]

後に山本五十六役を演じることになる三船敏郎さんが、本作でもちょい役として登場している部分は印象的だった。

三船敏郎さんと言えば、『七人の侍』でのワイルドなイメージが強い。

後の山本五十六役では、その印象が、かなり抑えられていたため、本作での「血の気が溢れる粗野な日本軍人」という設定は、かなり良かった。
(どうやら、『七人の侍』に登場したのは、本作の1年後のことだったよう。)


[終わりに]

今、改めて、観ると、製作陣に、当時の日本映画を代表する人々が集まっていた本作。

当時の言葉使いや政治背景の理解など、初見で観るには、中々、難しいものはあるものの、山本五十六さんの他作を観た後、続けて鑑賞すると、かなり楽しめる作品だと思った。

参考
『ミッドウェイ』と併せて観たい!"ミッドウェイ"映画7選!!|映画チア部神戸本部|note
https://note.com/moviecheerkobe/n/n9200aae212ce 
(こちらにも、まとめてみました。)
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