シンタロー

殺しのドレスのシンタローのレビュー・感想・評価

殺しのドレス(1980年製作の映画)
4.1
ブライアン・デ・パルマ監督によるエロティックスリラーの傑作。ヒッチコックの「サイコ」をモチーフにしているのはあまりにも有名。ヒッチコックをよりヲタクっぽく、大衆的でお下劣にした感じでしょうか…個人的にはもちろん大好物です。二部構成で前半のヒロインは欲求不満の主婦ケイト、後半はコールガールのリズ。のっけから美熟女の妙に艶かしいシャワーシーンに絶句!いきなりエロい!カメラワークと音楽が壮大に大袈裟な美術館のシーンは美しいけど、そこからセックスの流れは…あまりにもふしだら過ぎて、こんな母親絶対に嫌だ!かなり残虐なエレベーターのシーンはデ・パルマのこだわりが感じられる名シーン。血飛沫、反射、仰々しい音楽…カッコいい!カミソリを介してヒロイン交代が行われる構成もおもしろい。心から気の毒なのはケイトの息子ピーター。母親が惨殺されただけでも十分ショックなのに、見ず知らずの男とカーセックスして絶頂してたなんて…もうトラウマ。後半の本筋はピーターと目撃者リズの犯人探し…割にすぐわかるけど。それよりデ・パルマが撮りたかったのは、いかに自分の嫁さんが魅力的か、ってことだったような気が…エリオットを誘惑するシーンなんか、あんな格好で卑猥なセリフ言わせて…それあんたの趣味だろ!ラストのシャワーシーンも、オープニングのケイトと比べると、随分キレイに撮ってもらってるな、って感じ。自分はデ・パルマと好みが合うのか、リズ役のナンシー・アレンはどストライクなんで楽しませてもらいました!今なら大問題にされそうな性同一性障害や精神病院の描写には呆れてしまいますが、その辺を差し引いても十分見応えのある作品だと思います。
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