子供の頃にテレビで見て、あまりに恐ろしく、見てはいけない映画を見てしまったとトラウマになった。いくつかのシーンが脳裏に焼き付いており、と言うことは、映像にパワーがあるということだから、改めてどう感じるか観ることにした。
結論から言うと、前述のトラウマを克服することができた。と同時に、確かに子供が見る映画じゃなかったねと自分を労ることができた。
前置きが長くなってしまったが、序盤のアンジー・ディキンソンのシークエンスから素晴らしい。映像テクニックは勿論、ケイトは決してふしだらではなく、真っ当で素敵な人だった。親子のシーンを短く挿入するセンスも良い。だから後半のピーターの活躍に説得力がある。
エレベーターのシーンも見事。助けを求めて手を伸ばすショット、鏡越しに目が合うショット、落ちた剃刀を拾うショット、あの三つ巴の瞬間を、こんなに端的に表現できるなんて。
問題は終盤エリオットが入院した病院のシーン。私はここが最大のトラウマポイントで、今でもあのシチュエーションは本気で怖いし、見物する外野がおぞましいが、ナースを襲う理由の捉え方を間違えていた。再鑑賞により、もっと深い見方をすることができて良かった。
そしてリズとピーター。いつの時代もこの異色の組み合わせは楽しくて、どこか安心感がある。