Scratchy

波浮の港のScratchyのレビュー・感想・評価

波浮の港(1963年製作の映画)
3.0
ずっと不機嫌モードのおたい様小百合はすげないし憎まれ口が止まらない。父親が決めた許嫁のいる小百合を略奪する自信満々の浜田光夫はウノジューパパに恋の相談、奪い取れパッションだとアドバイス。病床に伏せってる小百合の母もこんなうち(波浮旅館)なんかどうなっても構わないから好きな人と一緒になりなさいと娘を激励。漁師のヒデちゃんはドラムじゃなくて盆踊りで和太鼓叩いてた。テカテカしちゃっていい脱ぎっぷり、やっぱ海似合う。ヒデちゃんが唯一ストーリーに関わってくる身投げした松尾嘉代のことを知らせにくるくだり。昼間っからあんこ娘に囲まれて飲んでる網元の息子沢本忠雄が小百合の許嫁で嘉代の恋人。もーこのへんの足早な展開、詰め寄る小百合、すぐ謝る小百合、浜やんは病室にみんな呼んで修羅場を誘い込む、しらを切り続ける沢本、シャドーキツめで青たんみたいな宮城千賀子、いい方向に目が覚めた嘉代、当てが外れる浜やんと小百合、どたばたしてて最高。障害はまったく取り払われることなく結局強引に思いをぶつけ合う二人。さっきまでのなんだったの?文語的な台詞が異様すぎて、覚悟を決めた迫真の湯場の小百合なんてもはや知らない文化圏のやりとり。エモーショナルな場面が徹底的にズレてる。ってこのタイミングで死にますか!もう誰とも結婚しない?わたしはお母さんのもの?急にどーしたの!?酔って一気に印象悪くなるけど波浮旅館(こんな家)のために夫婦で死にものぐるいで戦ってきたという大坂も不憫。葬式の間ずっと待っててくれる和田浩治との別れもないし、父の返事も待たずに駆け出す小百合。どこまでもディスコミュニケーション。
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