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夜顔のkojikojiのレビュー・感想・評価

夜顔(2006年製作の映画)
3.8
もしかすると、「金脈」を掘り当てたかも知れない。それだけ痺れた。小品であるがすごく好きな作品だ。

オリヴェイラ監督作品は初だが、他の作品が観たくなった。同時にルイス・ブニュエル監督作品もあわせて追っかけたくなる。

「昼顔」は誰もが認めるドヌーヴの代表作であり、私には長い間、恋焦がれた作品でもあった。

学生の頃、この小説の文庫本か書店に並んでいたが、その帯はベッド横たわる白い下着姿のドヌーヴだった。
私は「めばえ」という作品で、すでに彼女の虜になっていたが、この帯とこの小説に主演しているというだけで鮮烈だった。

もちろん小説は買って読んだが、小説が面白い訳ではない。私が求めているのはドヌーヴだったのだから。

映画はオリベイラ監督が67年のルイス・ブニュエル監督作「昼顔」の登場人物たちの38年後を描いた作品だ。
パリで偶然再会したアンリ(ミシェル・ピコリ)は友人の妻セブリーヌ(ビュル・オジエ)をコンサート会場で目撃する。
彼はすぐに彼女を追いかける。彼女は逃げてしまうが、偶然が重なり彼女と話すことができる。
彼は過去の真実を打ち明けるという口実で食事の約束を取りつけるが……。

この作品を観て、ドヌーヴから離れて「昼顔」という作品が見えた。もう一度この視点で観ることにする。レビューも書いてないことだし。

残念ながら、ミシェル・ピコリがアンリを演じるものの、カトリーヌ・ドヌーブは出演していない。確かに少しお太りになった我らがドヌーヴが、この役をこなせるかわからないが、演じて欲しかった気持ちはある。

映画の始まりはコンサートで、全編に渡って流れるクラッシックがこれまた素晴らしい。

「オマージュ」としての映画では最高に素晴らしいできだと思う。


監督・脚本:マノエル・デ・オリヴェイラ
製作:フィルボクス・プロドゥソンイス
レ・フィルム・ディシ
製作総指揮:ミゲル・カディリェ
セルジュ・ラルー
出演者
ミシェル・ピコリ
ビュル・オジェ
音楽:ローレンス・フォスター
前作:
昼顔
(監督ルイス・ブニュエル、1967年)

No.1466 2023-498
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