本間

シークレット・サンシャインの本間のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

もの凄い映画だと思います。
太陽(日の光)が救いのメタファーとして描かれています。太陽は物理的に特別何かをしてくれるわけではないが、上から全てを照らしてくれる。人間にとって何よりの救いとは、自分のことを気にかけて唯々見守ってくれる人がいることなのかなーと思いました。
一つ一つの描写にとても深い意味があり、凄まじく練り込まれた脚本です。全て印象的ですが、ラストにブティックの内装が明るくなった話が入るのが良いと思います。主人公が田舎のブティックに光を与えた、太陽の様な役割を果たしたのかなーと。
「どんな人にも必ず日は差す」というポジティブなメッセージ性を持つ映画だと思いますが、だからこその矛盾や苦悩についても描かれていたりと、絶妙なバランスで話が進行していきます。
また、やり場のない苦しみを抱えている人にとっての宗教観をこれ程まで掘り下げて描いている点も凄いです。宗教の問題点を指摘しているように見えますが、批判的な視点ではまったく描いていません。全てにおいて「良い」「悪い」では語られておらず、客観的な視点を持って作られている作品だと思います。だからこそキツいのですが。
重くて辛い映画ですが、色々なことを考えさせられる大傑作だと思います。
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