シークレット・サンシャインのおまめのネタバレレビュー・内容・結末

自己矛盾に立ち向かう物語

事件後はひたすらに、シネは自己矛盾に陥って苦しんでいるように見えた。自己矛盾を引き起こす二項対立のテーマを複数描きながら、ドラマも疎かにしない脚本は見事だった。終盤の美容室を出ていくシーンは、シネが矛盾を矛盾として受け入れられるようになった瞬間なのだと思う。

一方でジョンチャンは自己矛盾に目を向けずに楽天的に生きている人物なのだと思う。終始穏やかなジョンチャンが唯一取り乱すあの場面は、彼が自己矛盾に気づいてしまうシーンなのではないか。