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シークレット・サンシャインのxavierのレビュー・感想・評価

3.0
降り注ぐ陽射しをどれだけ浴びたら、あなたの悲しみは、消えてゆくのだろう…
シネは事故で亡くなった夫の故郷で、再出発する為に息子ジュンとソウルからミリャンに引っ越して来た。車が途中で故障しレッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャンがやって来た。彼の好意で無事ピアノ教室も開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子ジュンが誘拐され…
ストーリーはこんな感じ。
個人的にはチョン・ドヨンのもうひとつ"サンシャイン"作品の方が好きかな
それにやっぱ相性が悪いみたいだ、イ・チャンドン作品とは…
"オアシス"に"ペパーミント・キャンディー"、"バーニング"と観てきたがストーリーが"良かった!"と思える作品は無かったし。
確かに各々主役を張ったムン・ソリやソル・ギョング、ユ・アインとかの熱演は良かったけど…

作品の前半はソン・ガンホ演じるジョンチャンのウザさだけが目立つ。
頼まれもしないのに、シネのために良かれと思ってやっていることなんだろうけど、観てる方からすると何か気持ち悪い。
そして奥さん連中とカラオケに興じる所にジュンから電話が掛かって来た所から、ガラッと感じが変わっていく。
まず家に1人、息子を残してカラオケに行くかね?
昼間ならともかく夜だよ、夜!
で帰ってみるとジュンは居なくなっていて誘拐したって電話が掛かってくる
パニックになったシネはジョンチャンに助けを求めるんだけど、工事で1人カラオケの真っ最中!それを見てシネは何故か帰っちゃうんだよね。
ここでジョンチャンに助けを求めていたら、また違う展開になっただろうに
結果的には、犯人はすぐ捕まったものの、誘拐されたジュンは遺体で発見される。
葬儀の時に義母から「何で、一粒の涙も流れないのかい」とシネは問われるんだけど、ショックが余りにも大きいと起こった事が非現実的に思えてしまうんだよね。自分の父親が死んだ時、そうだったから、シネの気持ちは解るかな。
そしてシネは宗教に頼る事になっていく。多分、そうしなければショックで心が、押しつぶされそうだったんじゃないかな。それが功を奏し彼女は心の平穏を取り戻す事が出来た。

でも彼女が気付かないばかりで、心の奥底にはくすぶっていた物があったんじゃないかな。現に車で人を轢きそうになり謝った時に、女性から言われた
「謝るだけ?人を殺しても済むの?」
に何も言えなかったから、そうだったんじゃ…
それでも何とか自分に言い聞かせ、神に祈る事で平穏を保っていたのに、あんな事が…
まぁ、あれじゃああなるよなぁ…
そして彼女は心が壊れてしまい…

何か、後半は観ていて辛かったかな
そう思わせるチョン・ドヨンの演技も凄いと思うけど…
でも、やっぱストーリーがねぇ…
抽象的ていうかなんというか、心が揺さぶられないんだよね。
そう感じるのは、イ・チャンドン作品と感性が合わないんだろうね。
名優2人が出てるから、今度こそは…と思ったけど、今回も個人的には嵌らなかったなぁ…
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