東京の下町、本所生まれのかよ子は、戦時下の厳しい状況の中でも家族の愛情に恵まれて暮らしていた。
しかし、かよ子だけが沼津へ疎開した後、東京を大空襲が襲う。
かよ子の家族6人の命が奪われ、生き残ったのは兄の喜三郎だけだった。
海老名香葉子さんが少女時代の戦争体験を綴った原作のアニメ映画。
『うしろの正面だあれ』の続編的内容です。
戦災孤児になりながらも、終戦直後の貧困と混乱の時代を明るくたくましく生き抜いていく兄妹の姿を描いています。
声優には、ポケモン・タケシ役で有名なうえだゆうじさん。
名探偵コナン・工藤新一などなど数々の作品で有名な山口勝平さん。
森川智之さんなど、有名な声優さんも出演されています。
主人公、かよこの声には上戸彩さん。
上戸彩さんはもともと甲高いアニメ声なので、とっても良かったと思う。
物語としては、『火垂るの墓』をちょっとオブラートにした感じ。
終戦後焼け出され、人のこころも荒み、みなただ生きていくことだけに一生懸命になっていた時代。
そんな中生きていく兄と妹。
思いもよらず戦災孤児となってしまった、かよこ。
やはり生きることに一生懸命だった時代。
そんな中、かよこに希望を与えたのは、人の善意。
うれしさや、たのしさ、かなしさ。
そんな気持ちを共感できるこころ。
あくまでも人の心を善意と受け取り、生きていこうとするかよこの姿勢が、混乱の中たくましく生きていく力になっていたのだと思う。
善意をもって生きていけば、善意を返してくれる。
こんな小さな力が、戦争の無い世の中にしてくれるのではないか。