どらこ

THE WAVE ウェイヴのどらこのレビュー・感想・評価

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
3.5
「独裁」をテーマにして、実際に授業を通して体験してみよう!というカリキュラムを行う話。
実話ってのが驚き。

思ったより暗い映画ではなく、どっちかっていうと前半から中盤まではパンクで明るめの雰囲気だった。

共通の制服や目標、スローガン、思想、ルール、オブジェクトなど、そこには結束力と組織力を高める様々な工夫が成されていた。
ちょっと残念なのが、waveのメンツが洗脳されるまでの過程が少し早すぎるのでは?と感じた。
そこをもうちょっと丁寧に描いて欲しかった。

みんな独自の規則を守っている最中、一人だけルールを破る生徒に対し、軽蔑する周りの生徒。先生までもがひどい対応をする(意図的に)。
理不尽で意味不明なことでも、周りが遵守しているとそれが「正しい」と錯覚してしまう。反発する生徒には徹底した疎外感を与える。そうすることで徐々に共通意識を拡大させて、強固なコミュニティにしていく。それをコントロールするのが独裁者だ。
しかしまぁ、同調圧力ってのは強大ですな。洗脳の過程において最も効率的なやり方だから。

気付けば正気を保っていた先生までもがおかしくなっていたりと、改めて独裁の恐ろしさを目の当たりにした。

ドイツ人が根本に持っているコンプレックスは想像もつかない程根強い。

みんなでwaveポーズしよう
どらこ

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