JAmmyWAng

残酷復讐拳のJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

残酷復讐拳(1978年製作の映画)
5.0
カンフー界の「嵐」であり「SMAP」であると認識する事が全世界の国民に義務付けられている、ショウ・ブラザーズの「五毒」メンバー共演による珠玉の超絶大傑作。

身体の欠損や感覚の喪失によって一人一人が違うハンディキャップを抱えつつも、カンフーによって復讐の花を咲かせる事だけに一生懸命になりながら、相変わらずの陽剛路線を全開にさせて今日もチャン・チェがやっちゃってる。悲惨な血みどろをまたやっちゃってる。

とにかくそうした「欠落」を武器に変えていくための綿密な鍛錬によってすべてが支えられていて、年月を重ねた修行を経てそれぞれが愚地克巳のようにハンディキャップという個性(=オリジナル)を獲得していくワケなのですが、その様相は「ナンバーワンにならなくてもいいけど、オンリーワンになるためには修練が必要なんだぜ!ひとそれぞれ好みはあるだろうけど、どれもみんな個性があってフツーじゃなくてキレイだろーが!このクソ野郎が!!」と言っているようで、最上級の納得を示すために私はすべての臓物を捧げたいと思いました。

見えないこと、聞こえないこと、頭が狂って理性のないこと、といった欠落をそれぞれが連関して補い合う事によって、喪失した感覚が欠性それ自体として強固な武器へと変容し、連携の中で流れるように機能していくカンフー・コンビネーションの凄まじさは圧倒的に異常。

また「脚がない」という肉体的な欠損が「鋼鉄の義足」によって補われる事で、厳しい鍛錬を通して肉体を超えた一撃必殺の最終兵器へと変貌していくという、身体の延長性による戦術的なカタルシスも容赦なく異常。

五毒のカンフーというだけで超一級品なのに、ハンディキャップを磨き抜いて獲得された個性と個性が絡み合い、それ自体が殺陣となって立ち現れてくるこの壮絶な有り様こそが、「頑張って咲いた花はどれも綺麗だから仕方ないね」という畏怖すべき絶対性なのであり、そして同時に「特別なオンリーワン」という血まみれで凄惨な真実の「異常性=個性!」に他ならないのどあああああばばばばゲロゲロ~~(べちあっ)!!!!

SMAP解散は悲しいけど、五毒なんてもう死んでるメンバーもいるし大半が今何してるか分からないんだからきっと大丈夫。五毒の事実上の解体をなし崩し的に受け入れながらも、それでも宇宙開発などによって前に進もうとしている我々人類は、きっとどんな困難にも立ち向かっていけるハズだから。
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