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高校三年生のodyssのレビュー・感想・評価

高校三年生(1963年製作の映画)
3.0
【♪ 赤い夕陽が校舎をそめて】

1963年に大ヒットした舟木一夫の歌謡曲「高校三年生」を映画化したもの。ただしストーリーは富島健夫の小説だそうです。

富島健夫といえば、昔はジュヴナイルの大家で高校生向けの雑誌によく青春小説を載せていました。だいたい、高校生の男女が喧嘩したり恋愛したりという筋書き。この映画を見ていて、ああ、やっぱりね、と思いました。

あの頃の高校生は今よりはるかに奥手でした。もちろん中には堂々と(?)異性の恋人を作っちゃう者もいましたが、そういうのは不良か、逆によほど自分に自信がある輩。平均的な人間は、好きな異性がいても告白なんかできなかったものです。勿論私も平均的な高校生のひとりでした。(ただし、この歌がヒットした頃の私はまだ小学生でしたけど。)

しかし小説の中では不思議に高校生のカップルがどんどんできてしまう。この映画でもそうです。また、美しい女生徒(高田美和)が、国語の独身教師に恋をする、なんて設定もある。うーん、こういう映画を昔見ていたら、私も高校教師をめざしたかも知れません(笑)。

ヒロインを演じる姿美千子は、今の目で見るとすごく子供っぽいし、そんなに美少女には見えない。まあ、今のアイドルでもさほどの美形ではない場合もありますけどね。すごい美少女じゃないから親しみやすくていい、ということなのかな。

舟木一夫も準主役で登場して歌を披露しています。映画として傑作というほどではないけれど、昔「高校三年生」をテレビなどで聴いていた世代が見るにはそれなりでしょう。
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