暮色涼風

高校三年生の暮色涼風のネタバレレビュー・内容・結末

高校三年生(1963年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

恋愛に、勉強に、忙しい"高校三年生"の物語。
大人の問題に口を出している場合ではないと、言いつつ言われつつ、それに巻き込まれることで、大人へと成長していく高校三年生。

いつからか、甲子園球児はちゃんと年下に見えるようになったけど、この映画の高校生役の半分くらいは年上に見える。
当時の若者は精神的な自立が早くて、それが顔に滲み出ているのかな。
今なんか、成年年齢引き下げとは裏腹に、子ども化していっている気がする。自分も二十代前半の頃は、まだまだ大人になった気がしなかった。

それはさておき、その高校生役たちも大人役たちも、演技は上手い人ばかりとは言えないけど、台詞は書き留めておきたいような面白い言葉が多く、このような会話のテンポもわりと好き。

「教師と生徒の恋愛はだめなんですか?」と聞かれ先生が「かまわないけど」というのは笑った。時代だな。
あと、男子が女子に告白されて「折角ですけど、お断りしま〜す」なんて断り方も笑った。
結婚するなら「先生みたいな人が良い」なんて、絶対そう来ると思った。漫画の『めぞん一刻』がマイブームだから、教師と生徒の恋愛話に過敏になっているせいかも。
そんな、今とは少し違う感覚の青春のやりとりに、時代を感じる。
それでも、感情表現が直球だったり、変化球だったり、正直だったり、嘘ついたりする男女の付き合い方は、今も昔も普遍か。
「姉さんの汚い唇」は言い過ぎ。笑

孫の色恋沙汰で、会社にも学校にも乗り込むモンスターおばあちゃんが、実は一番可愛そうな人だというのは、しっくりこなかった。おばあちゃんも同情されて、それに素直に感謝してしまって、解せない。

明るく働き、自分のお母さんを美人と言えるヒロシは、本当にいい奴。美味しい役。
暮色涼風

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