ベイビー

パリのランデブーのベイビーのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
3.9
濱口竜介監督が「偶然と想像」を撮る際に参考にしたという本作。観てみて納得。男女関係の可笑しみを機微に描いてますね。

「7時のランデブー」
「パリのベンチ」
「母と子 1907年」

と、三っつのエピソードからなるオムニバス作品。“恋愛落語”と言えばいいのでしょうか、パリの街並みを舞台に、ヌーベルバーグの風合いを漂わせ、取り止めのない会話を繋げながら、最後には可笑しげに話を下げる。

アコーディオン演奏で繋げるジングルがオシャレに効いてますよね。手描きのタイトルクレジットとも重なって、何となくパリっぽさを感じられるアクセントとなり物語を引き立てていました。

個人的には「7時のランデブー」が一番好きでしたが、それに引き換え一番解せなかったのは「パリのベンチ」。あの女性主人公、あれ何なん? 勝手過ぎません? あれがパリジェンヌの本質なんですか?

でも彼女の最後の捨て台詞には「なるほど」と思わず感嘆してしまった…

これがロメールマジックなんですかね。自分の中ではヌーベルバーグは苦手と思っていたのですが、これなら案外イケるかも。

もっと色んなロメール作品を観たくなりました。
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