しゅん

パリのランデブーのしゅんのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
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久々にロメール観た。
失敗をドライに物語る三つの劇。一話目の後半の流れが好き。

三つの短編とも歩く男女を長く撮っていくシーンがあり、それらすべてで男性が女性を追跡している。最初の短編では友人の男、ナンパしてきた男、言い訳する彼氏の三人が主人公を追いかけており、ひたすら一組の(女性には別の彼氏がいる)カップルを撮り続ける二話目は色々な待ち合わせ場所で並走してるのかと思いきや最後のシーンで追走する長回しになり、最後の短編では画家の男性が街で見かけた女性を追いかけて話しかける。この映画での「ランデブー」は待ち合わせではなく、出会いの後の追走として映されている。会話劇は二人の人間が同じ位置にいることなく、常に歩いたり移動したりしている。

三話とも、日付がテーマになっているのも共通しており、ロメールの映画では割と日付が重要な役割を伴っているような記憶がある。二話目に顕著だが、「鏡像」のテーマもある。二話目の若干額が後退している男の不憫さは笑えた。

気になったもの。冒頭に渡す傘、ライダース、散歩中に映る大きな円球、たまにカメラを見ている通行人。
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