arin

13Fのarinのレビュー・感想・評価

13F(1999年製作の映画)
4.4
仮想現実世界をテーマにした作品で、奇しくもマトリックス(1999)と同じ公開年(あるいは製作年)である。
内容もマトリックスと同じくいかに現実が危ういものかを描いているが、マトリックスのようなSFバトルというよりはSFスリラーであり、ネタバレ厳禁タイプの映画である。

ガス灯が夜闇を照らす1930年代のLAを舞台とした仮想世界。
その運営会社の男が主人公にメッセージを残して何者かに殺される。運営会社の重役らしき主人公は、警察が容疑者として睨みをきかせる中、仮想現実の世界に飛び込んで謎を探ろうとする。
そのメッセージとはなんなのか? 被害者の娘を名乗る人物の登場するが怪しいぞ? 殺人を犯したものは何者なのか?
序盤から数々疑問が湧き、物語に惹きつけられる。1930年代の町並みの描写も見事。

リアル世界においてヴァーチャル・リアリティの技術はこの映画公開時よりもますます進歩している。
現実との境目が怪しくなったときにはどうしたらよいか?
この映画が冒頭に掲げるデカルトの言葉「我思う故に我あり」を思い出せばよい。
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